歯形修整とは何ですか?
歯車の正規の歯形形状に意図的な変更を加えることを歯形修整といいます。
歯形修整の中でも歯先付近を正規のインボリュート曲線に対してマイナスさせる(逃がす)加工を歯先修整、歯元付近をマイナスさせる加工を歯元修整と呼び、その他にも歯形全体に対する形状の変更や圧力角の変更など、目的によって様々な修整の方法があります。
歯形修整を行う目的には、
1 運転負荷によって生じる歯のたわみにより、かみ合い開始点付近で歯先や歯元が干渉する(強く接触する)ことを防ぐ
2 歯面の急激な接触の開始を防ぎ、回転をなめらかにする
3 適切な油膜の形成を支援する
といったもの上げられます。
歯形修整の形状や大きさを決定する代表的な手法としては、①における歯のたわみ量の計算値から設定する方法がよく知られていますが、計算によらず過去の経験則から歯形を設定する場合もあります。
過大な歯形修整はかみ合い率を低下させ、歯車の強度や回転精度に悪影響を与える可能性
がありますので注意が必要です。