歯すじ修整とは何ですか?
歯車の正規の歯すじ形状に意図的な膨らみを付けたり、ねじれ角を変更することを歯すじ修正といいます。
代表的な歯すじ修整にはクラウニングとレリービングがあり、いずれも歯幅両端の歯厚を中心部よりマイナスさせることにより、相手歯車との歯当たりを歯幅の中心付近に寄せて、歯車の製作誤差や組立誤差によって歯当たりが歯幅の一方の端に偏ってしまうこと(片当たり)を防ぎます。
クラウニングやレリービングにおける修正量(歯端部におけるマイナス量)は歯車の使用条件において予想される平行度の誤差から設定しますが、過大なクラウニング(レリービング)は歯当たり面積を小さくし、異常磨耗などのトラブルを起こす可能性がありますので注意が必要です。
歯研歯車のような精度の良い歯車にクラウニングを行う場合の修正量はごく僅か(数μm程度)となるのが一般的です。
その他の歯すじ修正としては運転負荷による歯車箱や歯車軸のたわみ、歯車の回転姿勢の変化を考慮して歯すじをテーパー形状に修整したり、ねじれ角自体を変更することもあります。